お人形とデジカメ |
2000/3 |
お人形を愛でていると、その可愛らしさをなんとかしてとどめておきたいと思うようになります。この一瞬を永遠に昇華したい…時間よ止まれッ、ザ・ワールド! …でも、超能力のない僕は他の手段に訴えるしかありません。というわけでデジカメ様の出番です。
今まではオリンパスの35万画素のデジカメ(以下CAMEDIA)を、それほど不自由を感じることなく使ってきました。しかし、お人形を接写するとなると、これには重大な問題があることがわかってきました。
【感度が足りない】
「ハァハァ、ここはどう?」
「うーん、あんまり気持ちよくない…」
という感度不足ではなく、画面が暗くなってしまう方の感度です。光量不足といってもいいでしょう。自然光と蛍光灯を併用してもお人形の顔が暗くなってしまうのには参りました。屋外ならともかく、室内ではいかんともしがたいものがあります。
【電池がすぐ減る】
液晶で画角を決めていると、すぐに電池切れになります。
「うぉっ!」
「ああん、まだダメぇ〜!」
とはいいませんが、撮影途中で電池が切れると萎え萎えです。でも、これはACアダプタで解決。
しかし、なんですね。気持ちよくしてやれず、しかも早くイクなんて、こいつ↑ダメですね(^^;。
【解像度が足りない】
いくら接写しても、お人形は元が小さい物なので、細かい部分は判別しづらくなります。顔のアップならともかく、全身を入れようとするともうダメ。35万画素ではなあ…。
| 以上のような悩みを解決するために、新型のデジカメを買いました。フジのFinePix1200(以下1200)。131万画素。接続キット類が全部付いてて3万500円。でも、安いのはいいけど、これは失敗でした…。理由は後ほど、詳しく述べます(T_T)。 |
![]() FinePix1200のセット内容 |
最近のデジカメをいじってて感心するのは、感度の向上と電池の持ちです。肉眼でも見えないような暗い部分が、デジカメで撮影するとちゃんと見えるように写るんですよ。電気的に感度を増強しているのでしょうか。デジタル技術の驚異ってやつですね。
液晶つけっぱなしでも電池が長持ちするのも、以前のデジカメを知っている者にすると驚きです。おそらく液晶パネルの技術革新の賜物でしょう。スゲー。
綺麗で感度がよくて長く楽しませてくれてお金もかからない。ある意味、理想の彼女(笑)。おお、デジカメってメスだったのか!
というわけで、1200を買ってきました。画素数が多く、感度がよく、電池の持ちもいい……しかしダメなのです。オートフォーカスがないんですよ、これ。「パンフォーカスで、被写界深度でピントを稼ぐやり方」と雑誌には書いてありました。パンフォーカスも被写界深度も言葉の意味はわかるのですが、それらが組み合わさって結果的にどういう事態を引き起こすのか、僕に想像力が足りなかったのです。
ここで簡単にカメラ用語について勉強しましょう。オートフォーカスとは、自動的にピントを合わせてくれる機能のこと。これはいいですね。ではパンフォーカスとは? これはピントの位置が固定されているものと思ってください。たとえば2メートルなら2メートルの位置に、そこにあるものがハッキリ写るようにピントが調整してあるわけです。
では被写界深度とは? これは「ピントが合っているように見える体感距離」とでもいいましょうか、どのくらいシビアにピントが合っているかの、加減をいいます。
下図は、向かって右にカメラのレンズがあると想定して説明しています。緑線と青線はいずれもレンズの焦点位置を模したものです。緑線と青線の角度の開き具合に注目してください。
【被写界深度が浅い例】![]() |
@ピントが合っている位置。 Aややピンボケ。 B完全にピンボケ。 |
【被写界深度が深い例】![]() |
@ピントが合っている位置。 Aほぼピントが合っている。 Bややピンボケ。 |
被写界深度を深くすれば、合焦位置から多少前後しても、それほどピンボケにはなりません。人間の目には「ピントが合っている」と感じられるでしょう。被写界深度を深くするには、絞りを絞ること。人間なら目を細めるとそうなります。ただし、絞りを絞る分、光量不足になるので、それを補う必要があります。フイルム感度を上げるか、露光時間を長くするか、被写体に対する照明を増やすかです。
以上の解釈は、写真を趣味にしている人から見たら「それは違う」という部分もあるかもしれませんが、おおむね間違いではないはずです。違ってたら教えてください。
で、1200はパンフォーカスなので、一定の距離以外は厳密にはピントが合っていないことになります。そのために被写界深度が深くなるようにしてピントを稼いでいるそうですが……合ってないんですよ、これが(T_T)。
人物のスナップ撮影とかにはいいでしょう。おそらくメーカーもそのへんを狙っていると思います。そのこと自体はまったく妥当で、接写メインで使う僕の方が間違っていると思います。カタログの読みが甘かった。
1200をマクロモードで使うとき、ピントが合うのはレンズから約10センチの距離です。10センチというと、1/6スケールのお人形の場合、バストアップ程度になります。その距離より遠くても近くてもピンボケになります。
全身を入れようと思うと、レンズからの距離は約40センチ。しかし、1200の通常モードは、撮影距離が70センチ以上に設定されています。つまり、この距離はマクロモードでも通常モードでも射程外なのです。どアップならともかく、それ以外の構図はピンボケで使えないということになります。くっそう〜。
![]() 2個セットで100円 |
それならばピントの位置を変えればいいとばかりに、100円ショップで虫メガネまで買ってきたのですが、焼け石に水。ほとんど無意味でした。ぐはっ…。 |
結局、当ホームページで今までに掲載したサアラの写真の大半が、35万画素のCAMEDIAで撮影されたものという状況です。たかがオートフォーカス、されどオートフォーカス。鑑賞に堪える写真が撮れる確率はほんの数%ですが、なんとか我慢できる範囲内です。一方、1200は一言でいえば「デジタルな写ルンです」。スナップ写真ならそこそこだけど、厳密には、なに撮ってもピンボケ。これではなんのために1200買ったんだかわかりません。くぅ〜(T_T)。
デジタル機器の進歩は早く、すぐに陳腐化してしまいますが、カメラのようなものはそれほどでもありません。デジカメも、一番いいヤツを買っとくのがいいような気がします。2・3年前の機種でも、100万画素の一眼レフなら、今でもしっかり役に立ってくれそうですからね。
![]() C−2500L |
今買うんならオリンパスのC−2500Lが良さそうです。250万画素で一眼レフでマニュアル撮影も豊富でマクロは2〜60センチ。一眼レフなので、実際に写るものと同じ画像をファインダーで視認できます。これなら微妙なピント合わせもバッチリ。何度も撮影する手間も省けそうです。欲しいなあ〜、でも10万円くらいするし。ああ、でも欲しい〜。買っても使いこなせないかなあ。僕のような素人が、お人形を撮るくらいのことで10万円のデジカメなんて、分不相応かなあ。あああ〜、1200買わなければあと7万円だったわけだしなあ〜。ぐああああッ〜! |
…無いものは大和魂で補うのが戦時中の日本男児。それを見習って、現代のオタクである僕は、根気と工夫でがんばりまっす(T_T)。
【参考リンク】
被写界深度ってなに?