人に聞けないお人形入門 |
2000/4 |
どんな世界でも、上には上がいるもの。と同時に、下には下がいます(笑)。お人形とて同じこと。熱く濃いぃ先達と比較すれば、下手なファーストフードのようにヌルくてアメリカンな僕などが語るのはおこがましいのですが、入門すらしていない人たちのために、今日はお人形の基礎をおさらいしてみましょう。一人でも多く引きずり込んで、相対的に自分の地位向上を計る作戦です。キミもいっしょにダメになろうよ(笑)。
お人形といえばまずリカちゃんを思い出しますが、ここで話題にするのはジェニーです。身長27センチ、つまり1/6スケールのジェニーから始まる、お人形の魅力を追っていきましょう。
タカラから発売されているジェニーには何種類ものシリーズがありますが、可動人形という視点から見れば、およそ3種類に大別できます。
ノーマルジェニーは軟質ビニール素材で作られており、中は空洞です。きちんと可動するのは肩と股間と首だけで、それ以外の関節は内蔵された針金の骨格を曲げることによって可動を実現しています。
![]() サアラに付属していたSAJボディ |
もっと自由なポーズを!との願いから生まれたのが、スーパーアクションジェニーです。SAJと略します。このボディは全身がプラスチック(厳密にはABS樹脂?)製で、首・肩・肘・手首・腰・股間・膝・足首が可動します。 SAJの派生モデルがダイナマイトボディです。可動範囲はSAJと変わりませんが、セクシーダイナマイトっつーことですかね、ようするに巨乳ボディです。…これも女児玩具なのかな?(^^;。 |
この3種類に、肌の色違い(ノーマル・ホワイト・チョコレート)を含めたものが、ジェニーのボディです。首のないボディだけを指して、素体ともいいます。
美しさと可動範囲を両立したボディ、ランジェリーや制服の豊富なラインナップ、ヘッド換装の簡便性、恥ずかしさを我慢すれば誰にでも買える容易性など、フィギュアとは違う魅力を備えたSAJは大きいお友達にも支持され、その筋(笑)では事実上の標準ボディとなりました。
しかし、問題点もあります。肘と膝の関節が一軸しかないため、可動範囲が本物の人間よりずっと狭いのです。これを克服し、SAJの独壇場だった素体市場に参入したのが、ボークスです。ボークスの製品ラインナップは実に豊富で、ノーマルジェニーと同程度の一部可動素体である「ビューティー」シリーズや、ガレージキットの「幻の素体」シリーズなどがありますが、ここではフル可動素体の「エクセレント」シリーズを取り上げます。
基本形となるのがエクセレントA。それを巨乳にしたものがエクセレントB。子供体型がエクセレントミニ。これ以外にも爆乳だの桃尻だのありますが、話がややこしくなるのでここでは割礼…じゃなくて割愛します。←常に笑いを心がけております。
![]() エクセレントAに海ちゃんのヘッドを装着。 膝と胴体がSAJと大きく異なる。 ヘッドとボディの肌色の違いが気になる… |
![]() エクセレントミニB |
エクセレントボディには、以下のような長所があります。
トイザらスだと、平日の昼間でも子供連れの若いお母さんがいますからね。仕事サボってスーツ姿でジェニーコーナーで衣装の物色なんて、勇気いります。
しかし、エクセレントにも欠点はあります。上の写真からもわかるかもしれませんが、
などなど。改造でなんとかなるものもありますが、しかし、可動部分の増加と見栄えの両立だけは困難です。そして、まさにここがお人形のキモです。じれったいから余計に燃えるという心理がわかっていただけるでしょうか? なんとかしたい。なんとかして、君をもっともっと綺麗にしてあげるよ〜。……こういう書きかたすると、なにやら屈折した愛情のようで怖いですけど、ようするに「より自然に」という願望です。
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さて、最初にタカラの素体は3種類であると述べましたが、この春に画期的なボディが発売されました。第4のボディはナチュナルボディと名付けられていますが、商品としては「フォトジェニックジェニー」というパッケージなので、一般(?)にはPGと呼ばれています。ちょっとややこしいけど、オッケー? 余談ですが、パッケに「なめるとにがいよ」というシールが貼ってあるのがわかるでしょうか?(左の写真参照)。靴などの小さな部品を子供が飲み込まないように、苦味コーティングを施してあるのですね。ものは試して思ってなめてみたところ、最初はそれほど苦くありませんでした。しかし、時間が経つと口の中がだんだん苦くなってきて、結構長い時間、やーな感じでした。注意書きは本当でした(^^;。 |
| ジェニーに電話をかけたら、「フォトジェニックとは、写真写りがすごくいいという意味の英語」と教えてくれました。なるほど、継ぎ目がないので見栄えがします。自分で言うだけのことはありますね(笑)。これは軟質ビニールのような素材の中に金属の骨格を内蔵したもので、いわゆるクネクネ人形と同じ構造です。こういうのをベンダブルといいます。 触ってみるとわかるのですが、もっちりした肌の感触が妙にリアルです。パンツを履かせっぱなしにしておくとお尻にゴムの跡が残るとこなんか、リアルを通り越して怖いような気すら(^^;。フル可動でありながら継ぎ目が無いので、裸にしても見苦しくありません。曲がってはいけないところは曲がらないように、関節以外の部分には硬質の骨格が内蔵されています。どうやって作っているのか不思議ですね。 |
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PGボディの画期的なところは、単に継ぎ目が無いというだけではありません。従来の素体では不可能だった「首全体をかしげる」というポーズが可能になっています。これはすごい! 首と手がドールの表情を決定するといっても過言ではないでしょうから、今までは見ることの出来なかった表情が見れるようになったということです。両親を事故で亡くし、ショックのあまり言葉を失った少女が、ヒーローの熱意に打たれてついに笑顔を取り戻す……そんなシーンが思い浮かびませんか? …浮かばんか(^^;。
しかし、PGボディにも欠点があるのです。うーん、果てしがないですねぇ。
PGボディの最大の欠点は、ポーズをつけにくいことです。針金内蔵とはいえ、ボディの軟質素材の弾力に負けてしまい、きっちりと姿勢を決めることが出来ないのです。例えば、踵をつけて立たせようとしても、手を離すと元に戻ってしまうのです。これはかなり痛い…。
さあ、こうなるとボークスの出番です。この5月には、PGボディに対抗した「エレガント」ボディが発売されるらしいのです。PGの欠点を克服したものとなるらしいので、とても楽しみです。しかし、発売の際は、前述したエクセレントの欠点を引きずらないでほしいと願っています。軟質ボディはあとから改造することが困難なので、商品の段階で決まってしまうからです。せめて首の長さだけでもいいから修正して〜(T_T)。
軟質ボディが素晴らしいとはいえ、やはり一長一短です。自分好みに容易に改造でき、精密なポージングの可能なプラスチックボディにも魅力があります。今後は、PGのような軟質素体と従来の素体が共存していくのではないかと考えています。
※フル可動ドール(および素体)を発売しているのはボークスだけでなく、ツクダホビー、マーミットなどがありますが、僕はそれらを所有していないので、今回は割礼…じゃなくて割愛しました。ご了承ください。←使えるうちは何度でもリサイクルして再利用します。地球に優しいギャグです。
【2005/2/10追記】
その後、オビツ製作所からもフル可動ボディが発売されました。オビツボディについては、別のページで紹介しています。