ディスプレイの設定 |
2000/11/11 |
今まで使っていたディスプレイに、自力ではどうしても直せない色ズレが生じてしまいました。修理に出すか買い換えるかですが、修理期間中の不都合を考えて、買い換えてしまいました。今度のディスプレイはナナオの19インチトリニトロン「T761」です。実売価格約7万円。ついに憧れのナナオですよ(笑)。
インターネットを通して他人様の絵を見たり、あるいは自分の絵を発表したりしていると、はたして自分は正しい色で見ているのだろうか、と心配になることがあります。自分では肌色だと思っているものが、向こうでは青色で表示されているかもしれません。そうならないためには、ディスプレイの色調や明るさをきちんと調整する必要があります。ディスプレイを買い替えたこの機会に、設定を勉強し直しました。
改めて考えると、カラー管理というやつはとても厄介です。自分の作品を不特定多数の人に、自分の意図した状態で見てもらうには、自分のディスプレイを平均的な状態に設定しなければなりません。自分の環境を世間一般に合わせるわけです。その一方で、画像データが持つ理論上の色をなるべく正確に表示するには、ディスプレイを厳密に設定する必要があります。ともすると背反しかねない二つの要件を満たさなければならないのです。
まずキャリブレーション。ガンマ補正とも言うようです。これはシャドウ部とハイライト部を正しい明度で表示し、中間調がちょうど真ん中に来るようにするものと解釈しました。ウインドウズのガンマ値は2.2で、マックは1.8だそうです。なぜ違うのか考えてしまいますが、考えてもわからないので(笑)、結論から言えば僕は2.2に合わせました。
つぎに色空間と色温度の設定。これが実に難解です。フォトショップが推奨する設定は
です。この通りにやると、一般的なディスプレイの色温度は9300Kですから、フォトショップでは常に補正して表示することになります。その環境下で作成された画像データを別なソフト(たとえばIE)で表示するとどうなるのでしょうか?
違って見えるんですよ、これが。IEにはそんな補正機能はないので、画像データをストレートに表示します。ディスプレイ側の設定に依存しているので、ディスプレイの調整をしっかりやる以外ありません。となると、フォトショップの「ディスプレイ補正を行って表示」はやらないほうがいいということになります。
一般的なディプレイの色温度が9300Kであるなら、最初から9300Kの環境で作業すべきではないか。しかし、sRGBは多くのハード・ソフトが対応している平均的な色空間であるといいます。でもディスプレイは普通、9300Kなんですよね。sRGBの色空間で9300Kの色温度っていうのはできないの…?
色空間についての説明を何度読み返しても、どうすれば最適なのかわかりませんでした。「ディスプレイは6500Kにせよ」という解説はあちこちで目にしますが、世の中の大半のディスプレイの初期設定が9300Kであることを考えると、どうにも納得がいきません。「自分の作品を印刷する」というように、使用目的が一方通行なら6500Kでいいのでしょうけれど、自分の画像をホームページに掲載することと他人の画像を閲覧するという両方向の整合性を考慮すると、平均的な設定から大きく逸脱することは適切ではないと考えます。
フォトショップ側の設定にしても、僕なりの結論は
が妥当であろうということ以外、手詰まりとなりました。この設定で本当にいいのだろうか。イマイチ自信が持てない…。
最適な設定値というものがわからないので、逆に考えて、表示が適切であるかどうかを検証することにしました。自分のディスプレイと雑誌の画面写真を見比べることで、ディスプレイの設定が妥当かどうか確認するのです。
雑誌の印刷と画面表示では違って見えるのが当然ですが、そういったギャップに敏感であろうと推測されるものと比べれば、大きな違いはないのではないでしょうか。たとえば、CG専門誌「WinGraphic」。専門誌である以上、その印刷品質はある程度信頼できると考えられます。付録のCD-ROMに収められている記事連動の画像データを自分のディスプレイで表示して、誌面の写真と見比べたとき、表示と印刷に大きな違いがなければ、ディスプレイの設定はおおよそ妥当であろうと推測されます。また、各種ゲームソフトの表示や他人様のホームページの画像を閲覧・表示して、色合いに不自然な部分がなければ、これも自分のディスプレイは適切であるという傍証になります。サンプルはやはり人の肌色が適当でしょうね。そういう意味で、僕がギャルゲーで遊んだり美少女イラスト系ホームページを巡回しているのは、まったくもって適切で妥当な行為なのです(笑)。
試行錯誤の結果、以下のような環境に落ち着きました。しばらくはこれでやってみます。
【ディスプレイ】
【フォトショップ】
ファインコントラストの設定についてはよくわからない部分もあるのですが、コントラストとブライトネスのバランスがちょうどいいと感じたので、ピクチャーモードにしてあります。いいんじゃないかなあ?
色温度を下げたのは、9300Kでは白色が青く見えるからです。確かに、色温度を下げよという助言は間違いではないと思うのですが、世間一般とかけ離れては本来の目的を達成できないので、「心持ち」というつもりで8000Kにしました。数値にとくに意味はないんですけどね。
フォトショップの「sRGB」は初期設定のままですが、表示の補正はしません。作業する色空間がなんであれ、補正せずにディスプレイに表示しておけば、他のソフトとの整合性が保たれます。すべてのソフトがカラー管理機能に対応しているわけではないので、ハードウエアによる補正が一番簡単なのだと考えました。
ここまで辿り着くのに一週間かかりました。ようやく安心して作画に着手できます。ただし、ディスプレイの設定が適切だからといって、いい作品ができるというわけではありませんけどね(^^;。
(2003/9/17 備忘録として自分のために追記)
フォトショップ7.0に移行後、カラー設定を変更。
[設定] 最小限のカラーマネージメント
[プロファイルの不一致] □開く時に確認
この設定の結果、[設定]がカスタムに変化する。
(2003/11/3 さらに追記)
ディスプレイの設定を再検討。