C子さん第7話・後編

2001/2/14

 恒例の食事会の続きです。

 サ店でダベったあと、場所を変えてお昼ご飯を食べました。会話が弾んで、3時間くらいその店にいたかな? お店の人、すみません(^^;。

 この日、僕にとって最大の関心事は、C子さんにお人形服が作れるか否かです。理由はともかく、結論としてやれるのかやれないのか。やれないのにだらだら引っ張るだけなら、かえってC子さんを追い詰めることになります。むろん、口先だけなら僕だってお断りです。

 今回の食事会に先立って、C子さんがAさんに「お人形服だけで食べていけるかなあ」と相談していた(ただし、彼女の場合、どこまで本気かわからない)ことを知りました。これはもう、どこまでやるかというだけのことです。本人にやる気があるなら、できる限りの協力をしたい。そのためにも、C子さんの気持ちがどのへんにあるのか、確かめなければいけません。

 まず、お人形服の試作の進捗状況を尋ねました。去年の暮れの時点ではほとんど進んでいなかったはずですが、今は上(シャツ?)が2着、下(スカートとズボン?)が2着できているそうです。言っちゃあなんだけど、これは意外でした(^^;。僕は裁縫用語がわからないので細かい部分は理解できませんでしたが、C子さんの話しっぷりからすると、わりと本格的に作っているようです。い、意外だ…。

 「素体に濡れた新聞紙をぺたぺた貼って、乾いたところで張り子をカッターで切り開くと、型紙が起こしやすい」とも言っていました。僕としては、その程度なら好き勝手にやってもらっていいのですが、「この素体は人からの借り物」ということになっているので、本心を即答することができませんでした。僕は、僕は……うう(T_T)。

 試作品の実物を見ていないので、鑑賞に堪える出来かどうかは不明です。が、これなら3月25日に予定されている「大名古屋ドールフェスティバル」に、C子さんの試作品を展示(または販売)できそうです。おお!

 処女作を売りに出すのはもったいないような気もしますが、僕はわくわくしてきました。売れるものなら売ってみたい! あんたの作品が世に出るんだよ、C子さん!

 むろん、僕はそんなことはおくびにも出さず、ふむふむと、半ば事務的にうなづいて見せました。そしてもうひとつ肝心なこと、お人形服を継続する意志があるかないかも問いただしました。

「いまのところ続ける」

 と、C子さんは答えました。ただし、「服を作るのは楽しいけど、お人形本体にはまったく興味がない。服のデザインを考えることもできない」と、条件をつけてきました。ようするに、自分はお人形愛好家ではないし、だからどんな服がウケるかわからない、ということだそうです。これはしかたがないですね。僕自身、裁縫には興味がないわけですから、お互い様です。同じように萌えてくれというのは無茶でしょう。

 一時はあきらめかけていたのですが、C子さんなりに取り組んでいたことがわかって安心しました。試作品はできたし、継続の意志もある。それならば…と考えて、さらに一歩踏み込むことにしました。懐から、前述の「大名古屋ドールフェスティバル」のチラシを取り出し、C子さんに渡します。だんだんデンジャラスゾーンに近づいてきました(^^;。

僕「ポートメッセでやるんだって」
C「なにやるの?」
僕「いわゆるイベント。その手の愛好家が集まって店を出すらしい」
C「あのー、なんだっけ? ほら、コミ…」
僕「コミケ?」
C「そうそう! そういうの?」
僕「まあ、同じようなもんだろうね」
C「じゃあさー、人形を手に持って、人形と同じ服を着た人が歩いてたりするの?」


 それはどうかなあ!と苦笑いしながら、僕とAさんは顔を見合わせました。まあ、そういうのもあるだろうなとは思うんですけどね。お揃いで可愛いか、思わず引いてしまうかはケースバイケースということで(^^;。

 C子さんが大名古屋ドールフェスティバルに来るかどうかは不明です。たぶん来ないと僕は思いますが、もし会場でばったり会ったら、驚くでしょうねー。しかも、僕は売り子だし。サアラを前にして「どうです、可愛いでしょう!」とか言ってそう(^^;。うわー、来てほしいような、来てほしくないような〜。このへんのことは次回の食事会(3月中旬の予定)に確かめておかねばならんですな。

 さて、すっかり長話になりましたが、気まずかった空気はすでになく、3人とも楽しい時間を過ごすことができました。帰り際、駐車場でC子さんが、背中のリュックからふたり分のチョコを取り出したときは、ちょっと驚きました。

C「バレンタインデーが近いから」

 まったく考えてもいなかった僕とAさんは、嬉しいやら気恥ずかしいやら、ともかく素直に頂戴しました。 もらったチョコ
義理でも嬉しい(笑)

C「倍返しね(笑)」

 いいとも(^^)。この夜、「次回はC子さんにごちそうしよう」と、僕とAさんは相談したのでした。

 しかし、あれですね。

「あのコは見込みないと思うよ。告白の件なんか、なかったことになってるし」

 と、Aさんは言います。実は僕も同意見です。C子さんにとって、僕は異性として考える相手ではなさそうです。

「○○さんがトイレ行ってるあいだに、ちょっと聞いたんだわ」

 ○○というのは僕のことです。

「同じ会社の人はイヤだって言うから、会社辞めたらよその人じゃんて言ったんだけど、まあねー、って言ってた」

 同じ会社の人はイヤっていう気持ちもわからんではないけど、一生の一大事をそういうとこで考えるのはどうかと思いますね。自分が「想う側」だからかもしれないけど(^^;。

「あきらめたほうがいいと思うよ。結局は○○さんの気持ち次第だけど」

 ……僕もそう思います。

 はあーあ…。嫌われていないことは確かだけど、異性として好かれているわけではないんですね。「おにいちゃん」みたいなものかなあ。

「おにいちゃん…」

↑と、つぶやいてみる(笑)。なんかもー、やだ(^^;。

【つづく】

トップページへ戻る