造形用石粉粘土の比較 |
2003/4/18 |
これで何を作るかという話はともかく、とりあえず両方買いました。上がアートクレイ株式会社のメルファンド、下が株式会社パジコのプルミエです。どちらも石粉(せっぷん)粘土という素材です。子供の頃に遊んだ油粘土とはまったく違う性質に驚きます。

ちょっとした工作のために、前々から「薄くしても強度があり、それでいながら楽に加工できる素材」がほしいと思っていました。しかし、エポパテでは仕上がりが硬すぎるのが難点で、木工用ボンドの圧塗りも試したりしましたが、それでは軟らか過ぎてうまくいかず、少々悩んでいたところです。ところが、エアブラシの入門記事につられて買ったホビージャパン5月号に偶然にもプルミエの記事があり、模型用粘土があることを思い出しました。別にプルミエでなくてもよかったので、同じような性質を持った素材についてずいぶん検索したのですが、決め手となる情報が見つからず、それでしかたなく、目星をつけたメルファンドとプルミエの両方を注文したのです。
値段的にはどちらも1個、約500円です。体積はプルミエのほうが大きいですが、比重は同じくらいな気がします。たくさんある分、プルミエのほうがおトクかも。
使用した感触もよく似ています。軟らかくて伸びがよく、薄く滑らかに造形できます。ケバだったりベトついたりせず、ファンド(←これも買った)より楽でした。握力がいらないので女性にも扱いやすいでしょう。乾燥後の強度ははっきりした比較ができませんが、プルミエのほうが硬いようです。メルファンドは柔軟性があって、多少の変形にも耐えそうですが、その反面、メルファンドはヒケ(乾燥硬化時の収縮)が大きいという情報も目にしました。精度の面から言えばプルミエが優れているかもしれません。ていうか、値段も考慮するとプルミエで正解とか? 乾燥後の盛り付け・研磨・塗装・経年変化など、全体的な性能を比較していないので断言はできませんけど。
あとから考えると「メルファンドは買わなくてもよかったかな?」というか、「どっちか1個買えばそれはそれで事足りたかも?」という感じです。前述のように、明確な情報がなかったのでしかたなく両方取り寄せたのです。
要は、同じメーカーから同種の製品が多数発売されているにも関わらず、どこがどう違うのかはっきりした説明がないことに困惑しました。たとえばアートクレイ株式会社からはファンド、ニューファンド、ファンドソフト、メルファンド、スーパークレイなどが発売されていますが、これらの性能については「のびがいい」「きめが細かい」といったあいまいな説明しかなく、しかもメーカーの公式ホームページはありません(少なくとも僕には見つけられなかった)。公式ホームページがあっても、製品についてあいまいな説明しかないのはパジコも同様です。結局、ユーザーの感想を記述したホームページに頼らざるを得ませんでした。当然、相反する感想も多く、「これとこれではどちらが硬いのか」「どちらが高精度なのか」といったことが分からず、結局あれこれ買って自分で試す以外なく、1個でいいものを2個買ったわけです。こういうものはなにをどう作るかにもよるのでしょうが、根本的な性質くらい、自社製品なら比較説明できそうなものです。たとえば缶コーヒーに「甘い…普通…苦い」といった目安があるように、粘土にも「硬い…軟らかい」「ヒケが大きい…小さい」といった説明がほしいと思いました。
熟練の勘と経験がものをいう世界は、それはそれで素晴らしいと思いますし、尊敬と憧れを感じます。しかし、初心者が参入しやすい環境を整備するのも大切でしょう。アートクレイでもパジコでも、商品を多数取り揃えるなら、それらのどこがどう違うのか、分かりやすい説明を心がけてほしいと思います。