アイプリントの基礎原理

2004/12/1

 以前から何度か予告していた「アイプリント」の原理についてご説明します。これはプラスチック製の「金型」とエアブラシを使用して、ドールのカスタムヘッドを描画する技法です。タカラなどのメーカーが工場でやってるのと、ほぼ同じことを素人がやろうというものです。メーカーの製造工程については下記のリンクをご覧ください。

【参考リンク】

Doll Talk... Doll Talk...
→旅行記→リカ城遠征紀→リカ城 冬の陣→その2 ヘッドの金型


 本題に入る前にいろいろ能書きを並べたいところですが、それは後にして、作業のおおまかな流れを説明します。

1.インクジェットデカールを作る

アイデカール

 インクジェット用の透明フィルムにアイパターンを印刷します。具体的な製品は下記のものを使用しました。

透明フィルムラベル

2.アイパターンを切り抜く

アイパターン

 この写真は目と眉を切り抜いた状態ですが、本来はここからさらに塗装したい部分をくりぬきます。左右対称に正確にくりぬくのが難しいときは、中央から二つ折りにして、両面を張り合わせた状態でくりぬいてください。くりぬき終わったら、元通りはがします。丈夫なフィルムなので、破れたりしません。

3.アイパターンをヘッドに貼る

ヘッドに貼り付け

 この写真はパターンがくりぬかれていません。左右対称に注意してヘッドに貼り付けます。ここまでの作業はインクジェットデカールとほぼ同じですが、白目塗装などは不要です。

 フィルム裏面には粘着剤が付いているのですが、フィルムの材質が硬いので、このままでは浮いてきてヘッドに密着してくれません。位置決めしたら上からパテで固定します。

4.エポキシパテを盛ってアイパターンを固定する

 パテをこねたらそのまま数分おいて、ちょっと硬くなってから盛り付けます。パテの力でフィルムを上から押さえつけ、ヘッドに密着させます。くりぬいた穴は残します。

5.プラ型完成

プラ型裏面

 これは上まつげのパターンで作ったアイプリントのプラ型を、裏面から見たところです。塗り分けの数だけ作り、一色ずつエアブラシでヘッドに塗装します。

6.塗装例

アイプリント塗装例

 いろんな実験に使用したため汚れていますが、眉毛と上まつげのパターンが量産できました。向かって左側のヘッドは上まつげの塗装がややにじんでいますが、眉毛はほぼ同じように描けています。


 ようするに、フィルムに印刷してくりぬいたパターンが、直接的な「マスク型」となっています。しかし、そのままでは強度がなくヘッドに密着しないので、エポパテを併用して補強したわけです。フィルム単独でもエポパテ単独でもだめです。

 難点は、パターンの色分け作業です。多少の手描きもありにすれば、5枚くらいのプラ型で1種類のアイプリントが完成しそうですが、型を作ってる途中でずれないように、作業を工夫する必要があります。しかし、これはさほど難しくないでしょう。問題はエアブラシによる塗装です。

 細吹きのできるエアブラシが必要です。できればダブルアクション。コンプレッサーは小型のもので十分ですが、エア圧を一定に保つため、レギュレーターが必要でしょう。塗料はラッカーがベストですが、リキテックスを使用することも可能でしょう。そうなれば、シンナーなどの溶剤の問題がなくなります。

 とにかくエアブラシ。僕は5,000円くらいの入門用エアブラシを使用したのですが、塗料をヘッドに塗装する量より、吹き飛ばして捨てる量のほうがはるかに多くなりました。ラッカーは換気にも気を遣うし、時間がたつと塗料の濃度が変わってしまうため、調整にずいぶん苦労しました。工夫の余地があったと今になって思いますが、エアブラシ塗装に慣れていないと難しいかもしれません。逆にいえば、慣れれば入門用の廉価なエアブラシとエア缶でもやれそうです。ホビージャパンのエアブラシ特集とか読むと、そんな気がする。

  MAX渡辺&大越友恵のガンプラ大好き!

↑大変参考になりました。先に買っとけばよかった…。


 メーカーが製造する場合、原型のマスクペイントをどうやって金型に写すのか不思議です。考えれば考えるほど大掛かりな装置になって、しまいには「コスモクリーナーDみたいな機械で、電波やレーザー光線でビビビとか?」などと電波ゆんゆん系の思考に陥ります。僕が精神に異常をきたす前に、そのへんの情報をお持ちの方、タレコミ求む! ご家庭で不可能なことでも、正しい原理が分かれば解決の糸口になるかもしれません。

 今回は素人なりのアイデアを公表したわけですが、はたしていかがでしょうか? このアイプリント技法は開発途上です。試作したヘッドすら未完成で、はっきりした成果をお見せできませんでした。説明のための写真が揃っていないため、文章による説明が多く、分かりづらい部分もあったかと思われます。

 試行錯誤の経過を「生放送の実況中継」で公開するのも面白いですが、インクジェットデカールでは紆余曲折がありすぎて、結果的に読者を混乱させ、デカールが発展する道を閉ざしてしまったのではないかと反省しています。そういうわけで、アイプリントについては、なるべくならある程度完成してから公開したい。そう思っていました。さらにぶっちゃけて告白すると、この技法を自力で完成させて、お人形界で名声を獲得したい。そして、女子高生と合法的に親しくなりたい、という気持ちもありました。お人形界の名声と女子高生がどう繋がるかなんて、深く考えてはいけません。僕のドリームなんですから。しかし、無為に時間が経つだけなら、僕個人の力でどうこうするより、基本的な着想を公開して大勢の人が挑戦する機会を設けたほうがいいのではないか、と考えるようになりました。つーか、早い話、疲れました。誰か続きをやってください。


 まさかこんな形でインクジェットデカールが活用できるとは、当初は考えてもみませんでした。同一のヘッドを量産することに意義があるかどうかもよく分かりませんが、フィギュアのガレージキットと同じような展開が可能になるのではないでしょうか? 素人レベルで作品の量産化が可能になると、カスタムドールの世界が広がるのではないかと期待しています。あるいは、そのままアイプリントしなくても、応用することでカスタムヘッドの工程が省力化できるかもしれませんね。極論すれば、白目だけの塗装でも利用価値がありそうです。「マヤ、恐ろしい子!」とか。だから、誰か続きをやって(笑)。

トップページへ戻る