ピンキーの成功とピュアニーモ

2005/8/30
ピンキーストリート
ピンキーストリートの一例
 ピンキーストリートのサイト検索エンジン「ピンキーサーチ」を新規オープンしました。以前から、ドールサーチャーに登録されているサイトさんの中にピンキーを扱っているところがちらほら見受けられ、着せ替え人形に隣接する趣味としてピンキーは気になるジャンルでした。7月の大名古屋ドールフェスティバルに参加した際、ピンキーを陳列しているブースが意外にたくさん(といっても3つくらい?)あったのを見て、ピンキーサーチの開設を決心しました。ドールデビューを開設したきっかけもお人形イベントだったことを思い出すと、やはりイベントには情報と刺激がありますね。自作の商品がまったく売れなくても楽しいです(笑)。

 ピンキーストリートは可動という要素を持たない反面、デフォルメされた造形の可愛らしさとカスタムの容易さが特長です。素材が工作しやすく、パーツ差し替えのピン穴さえ合わせればいいので、手軽かつ安価に楽しめます。パテで造形したものにマーカーで色を塗るだけなら、誰でも簡単に挑戦でき、そのわりに仕上がりは十分きれいです。ユーザーには自作が難しい可愛いヘッドと、改造の原型となるボディには数種類のバリエーションが用意され、カスタムの難易度を下げると同時に、多様なニーズに応えています。

 このあいだの絵日記で「サアラのアクションフィギュアを希望!」ということを書きました。あのときはミクロマンを2倍に拡大したようなものを念頭において、「オビツ23をベースに」と書いたわけですが、アゾンインターナショナルからピュアニーモという新製品が発表されて驚きました。以下にピュアニーモの特徴を列記しますが、なにしろまだ発売されていない製品なので、間違いがあるかもしれません。

 ようするに、ボディが新規格である以外は従来のドールと変わりません。ヘッドは既存のドールに流用可能なので売れるでしょう。しかし、新素体を中核とした「ピュアニーモ」という規格はあまり売れないと思います。中途半端すぎるからです。オビツ23素体と比較して、メリットが文字通り見えないのです。


 関節表現が自然で美しいといいますが、服を着せてしまえば見えません。ポージングが容易に決まるメリットがあるかもしれませんが、着付けとヘアメイクがある以上、全体としては手間がかかって取り扱いに注意が必要なことに変わりはありません。パソコンの横に置きっぱなしにしておいて、たまにいじってポーズ変更、とはいかないでしょう。すぐ汚れるし、大して可動しないし。だったら、オビツ23素体のほうがましです。

 衣装・植毛・アイペイントに関しては従来とまったく同じであり、いいも悪いもありません。従来品と比較してカスタムが容易で安価というわけでもなく、スタンドなしで自立するでもなし、結局「関節がきれい」という一点以外、メリットがありません。25cmという「ちょっと背が低い」サイズが特長といえば特長でしょうか。

 手軽な着せ替えおもちゃとしては、布服と植毛は思い切ってあきらめるべきなのです。パテによる髪型と衣装の再現ならわりと誰にでも可能ですが、布服はもちろんのこと、植毛によるヘアメイクは手間がかかって難しすぎるのです。


 誤解しないでほしいのですが、「着せ替え人形を否定している」とか「優劣をつけている」とか、そんな話をしているのではありません。事業を拡大するなら、従来の商品とは異なる新製品を出すべきであるといいたいのです。27cmのサアラがあって、60cmのサアラがある。ボークスのように、何通りものサイズに合わせて、個別にキャラクターと世界観を構築するのもいいでしょう。個人的には、23素体による幼サアラがほしいところです。しかし、ピュアニーモは既存の商品と同じ1/6スケールであり、差別化が足りなすぎます。体型の美しさを追求するなら、幼い感じのする25cmより成人女性の27cmにすべきでしょう。手軽さを追求するなら、植毛と布服はあきらめるべきです。ピュアニーモは何のためにあるのか。ピュアニーモを買って何をすればいいのか。そしてそれは従来の製品とどう違うのか。そのへんがどうもよく分かりません。


 ピュアニーモに可能性があるとしたら、ソフビボディの材質そのものに意味がありそうです。ソフビボディに直接パテを盛り付けて衣装を造形し、パテが硬化したら芯となったボディを抜き取って、衣服の部分だけを別パーツとして取り出せます。複製による量産も可能だし、布服とは違う表現が可能です。なにより、お裁縫と違って簡単です。問題は、そうやって作った衣装パーツを着せ付けるためのマウント(ピン穴)が、ボディ側にないということです。手足の可動部との親和性も、どこで折り合いをつけるべきか、基準となるものがありません。最初からパテによる造形を見越して、ボディやヘッドにピン穴が用意してあれば、同業他社から類似商品が発売されていない、まったくの新製品として売り出すことができたのではないでしょうか? ←すでに類似品があったら、すんません。

【2007/2/17 追記】
 2006年9月に、コナミから武装神姫が発売されました。武装神姫は以下の特長を持っています。

  • フル可動な美少女フィギュアである。
  • ボディの各部に設けられたマウントにパーツ(武装)の取り付けが可能。
  • パーツのジョイントが規格化されていて、交換が容易。

 僕が考えていたものと少し似てますね。武装サアラがほしいわけではありませんが、あったらあったでいいな(笑)!

 布服が本業のアゾンに対し、パテ造形を前提とした商品を出せというのは無茶かもしれません。しかし、実際の製造は外注に任せて、商品企画とフェイスデザインだけで儲けることも可能ではないでしょうか? サアラを主軸とした既存商品と連携させれば、本業のテコ入れにも効果があると思います。布製品にこだわるなら、樹脂製の衣装パーツの表面に布を貼り付けて、それを塗装の代わりにしても面白いでしょう。関節部分は布だけで覆い、それ以外は下地に樹脂パーツを内蔵させれば、可動に干渉せず、それでいてアクションフィギュアの堅牢さと手軽さを兼ね備えることも可能です。無茶苦茶ですが、意外と面白いかもしれないし、これくらいの意表を突いてほしいと思います。

 自らがムーブメントを生み出せるよう、アゾンにはがんばってほしいです。

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